メジャーリーグで最もアツいファンと知られるボストニアンたちは、幾度となくこの男に苦しめられてきた。
MLB2016
アレックス・ロドリゲスが記録した696本塁打。そのうちレッドソックス戦では3番目に多い59本。フェンウェイでは29本を叩き込まれている。
度重なる薬物問題。13年から14年にかけて211試合の出場停止という制裁を科されたスラッガーに、これまで厳しいブーイングの嵐だった。
After chants of “We want ARod!” at Fenway, Rodriguez flies out and goes back to being booed. pic.twitter.com/8l2zRSWKtD
— Bleacher Report (@BleacherReport) 2016年8月11日
しかし、「600本塁打+3000安打+2000打点+2000得点」をクリアしているのは、歴代ではハンク・アーロンとAロッド以外にはいない。
フェンウェイでの最終3連戦。ベンチスタートの彼にボストンのファンは、「WE WANT A-ROD(Aロッドを出せ)!」のチャントを贈った。粋なヤジともとれる大合唱で長年の好敵手を歓迎した。
第2戦では7回に代打。最終戦でスタメン起用された。バッティングサークルにAロッドが現れるたび、ボストンのファンは盛大にブーイングをし、拍手と声援を贈った。
現地で取材する日本人記者によるとAロッドは試合後、「すごく楽しかった」と笑うと、4打数無安打だったが最後にぼてぼての内野ゴロで打点をあげたことに、「最後の一打も笑っちゃうよね。今朝起きた時は、こんな結末を思い描くことはできなかったよ」と振り返った。
翌日の12日、稀代のダーティーヒーローはホームのヤンキースタジアムで最後のピンストライプを着る。