MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

【イチロー伝説】セントルイスの捕手モリーナ、一流だけが知る感覚

 

「すごいですねぇ、ちょっとびっくりしたなぁ」と試合後、クールなイチローが語った。

 

 

イチロー伝説

 

 

セントルイスは「ベースボールタウン」としてメジャーリーガーが移籍をあこがれる街だが、その街のファンたちは、世界最多安打とMLB3000本到達を目前にした敵チームの選手をスタンディングオベーションで称えた。

 

捕手のヤディア・モリーナが座ろうとしない。

 

彼は、ファンがイチローに拍手を送っているセレブレーションを知っていた。彼自身も一流選手として肌で感じているからだろう。

 

そのセントルイス・カージナルスマイアミ・マーリンズと28日から再度対戦している。

 

ここでも捕手のヤディア・モリーナが座ろうとしない。大観衆に歓声を促している。一流選手だけが知る感覚で、イチローに対する敬意の表し方だった。

 

「ファンに時間を与えたかったからね」、日本のメディアの質問にそう答えた。

 

自分が時間を稼げば、ファンがイチローに拍手を与える十分な時間を与えられる。スタジアム全体が、メジャーで数々の記録を塗り替えたプレイヤーのMLB3000本到達という大偉業を楽しんでいる。主審さえもモリーナに、「早く座れ」と急かすようなことはしない。

 

モリーナーは「僕たちは戦っている。戦っているわけだけど、ときにああいう形で、相手選手に敬意を払わなければならないことがある。イチローは、そうして敵味方を超越しているし、それに値する選手だ」と、インタビューに答えた。

 

メジャー野球殿堂入りの確実な基準が3000本安打

 

ちなみに、「3000本クラブ」には、100年以上の歴史を持つリーグで29人しかいない。

 

タイ・カッブの登場以前は3人だけ。1921年タイ・カッブ3000本安打達成。25年にはエディー・コリンズトリス・スピーカーの2選手が3000本安打を達成する。

 

30年代はゼロ、40年代はポール・ワーナーだけ、50年代はスタン・ミュージアルだけ。60年代はゼロ。

 

1970年にハンク・アーロンウィリー・メイズの2選手が3000本に到達。

 

ロベルト・クレメンテが3000本を達成した直後の72年に事故で亡くなったことから、70年代以降に3000本という数字が史上最高打者たちを語るための基準としてクローズアップされたのかもしれないという記事を読んだことがある。

 

78年にピート・ローズ、79年にルー・ブロックカール・ヤストレムスキーなど、70年代は7人が達成。

 

80年代の達成者はロド・カルーだけ。90年代は7人が達成、00年代は4人、2010年代は今のところはデリック・ジーターアレックス・ロドリゲスの2人。

 

10年を一時代としてとらえてもわずか数人。場合によっては達成者がいないという時代もある。通算3000本安打野球殿堂入りへの確実な基準と言われている。

 

 

 

参考

http://bylines.news.yahoo.co.jp/kiyokotaniguchi/20160615-00058833/