MLB メジャーリーグ物語

海を渡ったサムライ・メジャーリーガーたち

抑えられた前田健太の年棒、その背景にあるメジャーリーグのトレンドとは!?

 

現地時間12月31日、ここでも何度か紹介したが、前田健太ドジャースとの契約に合意したと報道された。まだドジャース側は正式には認めていないが、契約は8年という報道が多い。

 

 

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契約内容は明かされていないのでこの時点では憶測の域を出ないが、余程の譲歩をしない限り数年後にはオプトアウト(契約破棄条項)が付くと思われる。

 

選手を取り巻く環境は年々変化しており、例えば、今オフは、これまで1人も受け入れなかったクオリファイング・オファーを数人が受け入れた。

 

その他、ドジャースからFAでDバックスに移籍が決まったザック・グリンキーはFA史上最高額がついた。

 

年俸はどんどん上がる傾向にあり4年後の状況はその時にならなければわからず、オプトアウトなどの付帯条項を契約に盛り込まないと話にならない。

 

 

総額は基本年俸が年平均300万ドル(約3億6000万円)という抑えられた額で、それを補う形としてインセンティブ出来高)が1年で1000万ドル(約12億円)を超えるという。

 

日刊スポーツによれば14年11月にスタントン外野手(マーリンズ)の大型契約をスクープしたクリストファー・マエオラ氏が自身のツイッターで報じたもので、出来高が基本年俸の3倍以上というメジャーでも異例の契約内容だ。

 

その後、ニューヨーク・ポストのジョエル・シャーマン氏がツイッターで、当初伝えられた8年総額2400万ドル(約28億8000万円)から2500万ドル(約30億円)に微修正したが、基本年俸より出来高の比率が圧倒的に大きいことには変わりはなく、同記者は「これだけ出来高が多いということは、彼が自分自身に賭けたギャンブルだ」とコメントしている。

 

 

リスクを回避したドジャース、その背景には...

 

選手の年棒総額がMLB球団最高のドジャースが、リスクを極力減らしたい契約にしたとも考えられるが、米メディアでは出来高の詳細について、達成するのがそれほど難しくないのでは、との予測も出ている。

 

同じくポスティングシステム(入札制度)でメジャー入りしたダルビッシュ有投手(レンジャーズ)は年俸1000万ドル(12億円)。

 

ヤンキース田中将大投手は2200万ドル(26億4000万円)。大リーグ選手の平均年俸420万ドル(約5億円)をも下回っている。

 

もちろん広島に支払われるポスティングの2000万ドル(24億円)もある。8年契約だから1年あたり3億。これを年俸に足せばドジャース側からすれば7.2億円を支払うことになる。ローテーションの4番手から5番目ぐらいの評価といったところ。

 

ドジャースは、今オフFAの注目の一人ザック・グリンキーとの再契約に失敗、岩隈久志との契約も破断に終わり、ジョニー・クエトの争奪戦でもライバルのSFジャイアンツに敗れている。

 

同地区のDバックスに引き抜かれたグリンキーの穴を先日FAで獲得した左腕スコット・カズミアーと前田が埋めることになりそうだが、FOXスポーツなどはドジャースが「ワクワクするようなチームから欠陥だらけの球団になった」と評価は低い。

 

「救援陣の手薄さと外野守備の弱さもあるが、グリンキー、デビッド・プライスのような超一流先発でワールドシリーズに臨むとみられていたチームが、前田と(ベテランの)カズミアでは…」と辛辣なコメントだ。

 

ここでも何度も紹介したが、今オフはFA市場に先発投手と外野手が豊富だった。マーケットは「買い手市場」。これが前田の契約に影響したとも考えられる。

 

そうした背景からFA市場の動きが遅く、FOXの名物記者ケン・ローゼンタールによれば2014年の12月中旬でFA選手のトップ20のうち17名が契約を終え、2013年と2012年は13名が契約。それに比べて今年は7名しか契約していないと指摘していた。

 

プライス、グリンキー、ジマーマン、クエトのFAトップ4と言われた投手たちは比較的早く決まったが、セカンドクラスの投手たちの動きが遅かった。

 

FAで大金をはたくよりドラフトと連動したプロスペクトの内部育成やトレードによる戦力補強を重視する傾向が強まっているのもFA市場が停滞した原因でもある。

 

これは、毎年変化するもので「需給バランス」や、こうしたトレンドが前田健太の契約にも少なからず影響している。