2013年4月15日に起きたボストン・マラソンでの爆破事件から2年あまり。その年は、地元のレッドソックスがホームのフェンウェイパークで世界一を決めた感動的なシーンだった。
その最後のマウンドに立ったのは、上原浩治。
左翼席フェンス「グリーンモンスター」には、「B」の文字とその下にある「STRONG」の言葉が円で囲われたロゴマークがあった。
「BOSTON STRONG」で一丸となった!
あの忌まわしい「4・15ボストンマラソン・爆弾テロ事件」以降、ボストン市民自体が「BOSTON STRONG」を合言葉にして戦った。
「ボストン・ストロング」(ボストンよ、強くあれ、といった意味か)について、「スローガンから、ほとんどライフスタイルになった」と選手が語っているコメントを読んだ。
ふり返ってみれば、日本でも監督をしたボビー・バレンタインが指揮を執った2012年は、ア・リーグ東地区で最下位に沈んだレッドソックス。
その翌年、ニューイングランド地方の春を寿ぐ「愛国者の日」(ペイトリオッツデイ)に起こったあの事件。
4月15日、ボストンでレイズに勝った選手たちは、クリーブランド遠征のため空港へ向かうバスの車中、特別なシーズンになる予感を抱いたという。
その後、惨事のニュースが全米に広がり、「ボストンストロング」を合言葉にボストン市民とレッドソックスは戦った。そして10月30日、ついにワールドチャンピオンに。ボストン市民を勇気づけた。
この間、レッドソックスは「4・15」の被害者を忘れないために、ボストンの地域局番にちなんで「617 BOSTON STRONG」の文字が入ったジャージーをダッグアウトに掲げた。メディアもそれを映した。
遠征から帰って迎えたフェンウェイ・パークでは選手たちが整列して犠牲者に追悼の意を示し、その後、プレーオフのレイズ戦でも同じような光景が見られた。